行列も退屈させない!災害VRを“共に学ぶ空間”へ変える工夫とは?
- 広報SC
- 3 日前
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待機時間も“学びの時間”に─外部モニタ活用の提案
VR防災体験イベントでは、参加者の関心の高さから「行列ができる」ことも少なくありません。
その際、よくいただくご質問がこちらです。 「VRを体験している人が何を見ているのか、外から見ることはできませんか?」
「待っている人が退屈してしまわないようにできませんか?」
そこで私たちはVR体験中の映像を外部モニタに表示する仕組みと、専用編集映像の提供という二重の工夫で、来場者全体への教育価値を最大化する取り組みを行っています。
外部モニタで、VR体験中の映像を“共有”する
Meta Quest や PICO などのVRデバイスでは、同一Wi-Fi環境やUSB-Cによるケーブル接続を行うことで、体験中の映像を外部モニタにリアルタイムでミラーリング表示することが可能です。
この方法により、来場者は、
体験者がどんな映像を見ているのかがわかる
「自分が体験する前に内容のイメージが持てる」
会話のきっかけや学習の入口になる
といった、共感型の観覧体験が可能になります。
ただし、リアルタイム出力にはいくつかの課題もあります。
電力消費が増加するため、バッテリー運用には不向き
複数人が同時に異なるタイミングで視聴している場合、映像の内容が統一されない
VRデバイスの画面は2眼表示のため、キャプチャ映像が正方形に近く、外部表示には最適化されていない
特に、MetaやPICOは1眼あたりのラウンドスクリーン(円形)で構成されているため、ミラーリングすると正方形にトリミングされたような映像になり、視認性や情報伝達力が下がってしまうことがあります。
白獅子独自の解決策:編集済み「平面再構成映像」の提供
そこで私たちは、あらかじめVR体験と同じ構成の内容を「平面映像」として再編集」したコンテンツを併せてご提供しています。
この映像は、
通常の16:9モニタに最適化された視野と構成
重要な場面にはテロップや解説を追加
ナレーションや環境音を調整し、学習・啓発効果を高めた設計
となっており、VRゴーグルを装着できない小さなお子様や高齢者の方にも安心してご覧いただける内容です。
さらに、この平面映像は待機列や受付付近で流すことで、待ち時間を学びの時間に変えることが可能です。


VRゴーグルを使わずとも、教育効果を得られる理由
白獅子の災害体験VRは、「体験型教育による行動変容」を目的とした産学官共同研究を通じて開発されています。
岡山大学教育学研究科との共同研究や京都大学防災研究所との開発により、災害時の判断行動に変化をもたらすVR設計が検証されています。
この知見を活かし、平面再構成映像にも、
危険のリアルな再現(煙、水、揺れなど)
避難行動の選択肢や注意喚起の演出
専門家の指導内容を反映したナレーションと解説
を盛り込み、「ゴーグルを使わなくても、防災意識を高める効果が期待できる映像教材」として設計しています。
私たちの目的は、「一人でも多くの命を守ること」
VR体験者だけでなく、その場にいるすべての方へ、防災・減災への気づきを届けること。それが私たち白獅子の、変わらぬ使命です。 行列も、待機時間も、“学び”の機会に。 体験する人も、見守る人も、全員で災害に備える展示をつくりましょう。
外部モニタ映像や編集済み再構成映像の導入・カスタマイズについては、お気軽にお問い合わせください。
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