制作、開発事例
「VRの技術で住宅火災による死傷者を減らす。」
私たちは映像制作やインタラクティブシステム開発の受託だけでなく、岡山大学学術研究院教育学域 岡崎善弘准教授(行動心理学)、岡山市消防局と連携したVRや動作認証のシステムを使った”減災”の研究にも取り組んでいます。
①研究の背景
私たちの研究チームは、映像制作やインタラクティブシステム開発の専門家としての実績を持つ一方、岡山大学教育学研究科行動心理学の岡崎善弘准教授や岡山市消防局との共同で、減災を目的としたVR技術を駆使した研究にも取り組んでいます。
②問題の提起
近年、住宅火災の発生は減少傾向にあるものの、火災による死傷者は増加している現状があります。この矛盾を解消するため、実際の火災場面での冷静な判断と行動を促す手段を模索しています。
③研究の方法
1、VR技術の活用
我々は木造や鉄筋の住宅をVR空間上で構築し、火災時の体験を再現しています。対象者は、65歳以上の高齢者(消防団、防火クラブ他)、20歳前後の若年層(岡山大学学生さん)にご協力をいただいています。
参加者はこのVR空間で火災を体験し、その行動データを取得します。
2、行動心理学の分野での行動検証
取得したデータは、行動心理学の手法を用いて分析し取得したデータから、高齢者、若年層と別けデータを解析し行動検証を行います。
④中間結果
昨年度、岡崎准教授の指導のもと、住宅火災体験VRを使用した後のマイタイムライン筆記テストで、思考時間が伸び、行動変容が見られる結果が得られました。
⑤今後の展望
今年度、よりリアルで臨場感のある火災の再現を目指し、研究をさらに進化させる準備を行っています。加えて、他の消防局への情報提供も進めており、勉強会を定期的に実施。この勉強会は無料で提供され、消防や人命救助に情熱を持って取り組む方々への私たちの敬意と、使命感からの貢献として行われています。
⑥外部の評価
この研究は新聞各社やテレビでの報道、消防関係の専門誌への掲載され、東京消防庁からの取材や総務省のサイトでの取り上げなど、多方面からの注目を受けています。
⑦研究の目的
本研究の最終的な目的は、火災発生時の避難広報の確立と、日常の火災予防広報の精度向上を通じて、火災時の冷静な判断と適切な行動を促すことにあります。
開発システム概要


①VR空間上に住宅を3DCGDE構築し、火災を発生させる。
②体験者は、その空間内を移動し、火災に対しての行動を行う。(避難、消火活動等)
③その中での移動、また消化器、日用品等を使って消火活動、スマートフォンを使用しての通報、避難を行う。
④その際の移動、動作を全て記録し、それらの行動データを心理学の検知から分析を行う。
活動掲載情報
岡山市消防局 火災検討会資料

XR / Metaverse & 3DCG
