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「自助・共助」を知って終わらせない。―災害時の行動につなげる防災教育とは―

6 時間前
読了時間: 4分

1.なぜ今、自助・共助が重要なのか

災害は、いつ、どこで起こるか分かりません。

地震や津波、豪雨などの自然災害が発生した際、行政による「公助」は欠かせません。しかし、大規模災害では、行政の支援がすぐに行き届かない場合もあります。

だからこそ重要になるのが、自分の命を自分で守る「自助」と、地域や身近な人同士で助け合う「共助」です。

内閣府の「減災のてびき」などを参考にすると、次のような行動が挙げられます。

【自助:自分や家族を守る行動】

  • 家具の固定や食料・飲料水の備蓄

  • ハザードマップによる危険箇所の確認

  • 避難場所や避難経路、避難所の設備・備蓄物資の確認

【共助:地域や身近な人と助け合う行動】

  • 日頃からの近隣住民との関係づくり

  • 地域の防災訓練への参加

  • 災害時の声かけや避難支援

しかし、ここで私が伝えたいのは、「何をすべきか知っていること」と「実際に行動できること」は、必ずしも同じではないということです。


こくみん共済 coop が2024年に実施した全国調査では、災害に不安を感じている人は74.4%に上る一方、在宅時の災害への備えができていると回答した人は26.6%にとどまりました。さらに、55.4%の人が避難生活を具体的にイメージできていないと回答しています。

この結果から、災害への不安を感じながらも、十分な備えができていない人が少なくないことがうかがえます。

例えば、避難場所を知っていても、普段利用している道路が通れなくなった場合、別の避難経路を判断できるでしょうか。また、避難所にどのような設備や物資が用意されているかまで把握しているでしょうか。

災害への不安を完全になくすことは難しいかもしれません。しかし、起こり得る状況や必要な備えについて見通しを持つことが、漠然とした不安を整理し、行動を考える第一歩になるのではないでしょうか。



2.VR体験を実際の防災行動につなげるには

災害時の状況を具体的に想像する手段の一つが、VRを活用した防災教育です。

VRでは、現実に体験することが難しい災害場面を疑似体験できます。しかし、大切なのは体験そのものではなく、そこで得た気づきを日常生活にどう生かすかということです。

例えば、体験後に参加者同士で判断や行動について話し合い、家庭での備蓄の見直しや避難経路の確認、地域の防災訓練への参加につなげることが考えられます。また、避難所の設備や備蓄物資を調べ、自分で用意すべきものを整理することも一つの実践です。

一方で、防災教育に触れる機会は、地域や個人の関心によって異なるのではないでしょうか。

私自身、高知県の沿岸部で育ち、幼い頃から南海トラフ地震や津波について考える機会がありました。一方で、同じ県内でも沿岸部とそれ以外の地域では、避難訓練への取り組み方に違いがあると感じたことを覚えています。

もちろん、地域によって想定される災害は異なります。しかし、誰もが日常生活や旅行先などで、災害に遭う可能性があります。

だからこそ、地域やこれまでの経験にかかわらず、誰もが災害を自分ごととして考えられる機会を持つことが大切だと感じています。

VRは、そのような機会を広げるための一つの手段になり得ると考えています。



3.「See, Change, Act!」― 見て、変わり、行動を。

株式会社白獅子が掲げる「See, Change, Act! ― 見て、変わり、行動を。」は、単なるスローガンではなく、コンテンツの制作から提供までを通して大切にしている行動指針だと考えています。

防災教育では、災害に関する知識の習得やVRによる疑似体験だけでなく、そこから得られた気づきを実際の備えに結び付けることが重要です。例えば、災害の危険性を実感し(See)、自分自身の備えを見直す必要性に気づき(Change)、避難経路の確認や備蓄品の準備、地域の防災訓練への参加へとつなげていくこと(Act)が考えられます。

また、この理念は体験者だけでなく、制作する側にも共通するものだと感じています。地域の課題や住民の声に目を向け、防災教育に求められる役割を捉え直し、コンテンツの内容や提供方法に反映していくことも、その実践の一つです。

もちろん、一度のVR体験が必ずしも行動の変化につながるとは限りません。そのため、体験後の対話や振り返りを取り入れ、学びを日常生活に生かせるよう工夫することが求められます。

「知っている防災」から「自分で考え、行動する防災」へ。

体験を提供することを目的とせず、その先にある意識の変化や具体的な実践まで見据えること。 それこそが、白獅子の「See, Change, Act!」を形にすることだと考えています。



参考資料

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