災害の記憶を次世代へ――広島県での災害体験VR運用がスタートしました
- 広報SC
- 5月19日
- 読了時間: 4分
この度、私たち株式会社白獅子が広島県へ提供した「自然災害体験VR」が、広島県庁を通じた地域防災教育の一環として、初の地域の方向けの運用を行いました。
納品はゴールではなく、スタートです。
私たちは「ただ納品して終わり」ではなく、実際に地域で使っていただく段階から、本当の価値創出が始まると考えています。
今回の催しでは弊社スタッフも現地へ赴き、機材の設営補助や運用レクチャー、来場者への説明などを行い、効果的な体験提供のサポートを実施いたしました。
海田町という舞台に託された防災の未来
今回、広島県が導入した「自然災害体験VR」の初の運用イベントが行われた場所は、広島県安芸郡海田町にある【織田幹雄スクエア(旧千葉家住宅)】です。 https://www.town.kaita.lg.jp/site/modasquare-kyuchibake/?fbclid=IwAR0EGYDrDxiZHE11CYuueVEAfvkROGkq8x1AsuvwaxPQM2Uo2KEZR_d6rcg
旧千葉家住宅は、近世山陽道(西国街道)の宿場町として栄えた海田にあって、宿駅の要職を勤めた千葉家の旧宅です。
御茶屋(本陣)や脇本陣に準ずる施設として、要人の休泊などにも使われた本住宅は、街道沿いに面して建ち、主屋・角屋・座敷棟及び泉庭により構成されています。
中でも安永三年(1774年)に建築された座敷棟は、同時期に建てられた附属建物や泉庭とともに、建築当初の統一感ある接客空間の面影を今によく伝えており、平成3年(1991年)に書院が広島県重要文化財、泉庭が広島県名勝に指定されました。
また、平成23年(2011年)には、郷土の歴史文化の継承や学習に役立ててほしいと、千葉家から海田町へ本住宅が寄贈されました。(海田町Webサイトより抜粋)
株式会社白獅子では、納品したコンテンツをそのままにせず、地域の方々と共に育てていくコンテンツとして活用いただけるよう、今後も運用サポート、イベント参加、地域特性に応じたカスタマイズを継続的に提供してまいります。
地域の声が示す“VR体験”の教育的効果
参加者からは多くの貴重なご感想をいただきました。
「体験して初めて、災害の怖さが本当の意味でわかった」
「実際に土砂災害を経験したが、言葉では若い世代に伝わらなかった。VRがあれば“同じ体験”を共有できる」
「家族で話し合うきっかけになった。防災が“自分ごと”になった」
「他社のVRも体験したが、リアリティがまったく違う。これくらいの精度でなければ意識は変わらない」
こうした声は、私たちが重視している「行動変容を促すリアルな体験」の価値を改めて実証するものとなりました。
ただのCGではなく、“命を守るシミュレーション”
本コンテンツは、京都大学防災研究所の監修による開発などの経験を通じ、実際の災害発生メカニズムを専門家の監修のもとで高精度に再現しています。
また岡山大学との共同研究により、体験による「意識の変化→行動変容→習慣化」のプロセスが実証されており、研究の成果を活かした「防災教育に特化」したコンテンツを提供しています。
加えて、イベント向けに特化した安全設計を採用し、これまで延べ18,000人近いの体験者の中で、事故・怪我・VR酔いの報告は一件もありません。
また高フレームレートかつ没入感あるVR設計により、教育機関や自治体でも安心して活用いただけます。 ▶ VR酔い軽減への取り組みの説明は、こちらをご覧ください。 https://www.snowlion.co.jp/post/vrmotion-sicknessr-eduction
「伝わる」を「伝える」に変える、地域連携型サポート体制
弊社は納品後もイベントや研修の現場へスタッフを派遣し、以下のサポートを提供しています。
機材の初期設定・操作指導
地域の特性に合わせたテロップ編集の提案
展示・体験設計に関するノウハウ提供
教材活用マニュアルとガイドの整備
体験者の方への安全な提供方法指導
こうした取り組みを通じて、地域の防災意識向上を「一過性の展示」ではなく、「継続的な教育の場」へと昇華させる仕組みを提供しています。
災害はどこにでも起こる。だからこそ“誰でも”体験できる設計を
私たちの災害VRは、Meta Questシリーズをはじめ、主要なVRデバイスにインストール可能な柔軟な設計となっており、既存の環境にもスムーズに導入いただけます。
また端末の初期設定、保守管理にも対応するため、運用の負担を最小限に抑えることが可能です。
今後に向けて
「体験したからこそ分かる」「だからこそ行動が変わる」――この信念のもと、今後も全国の自治体、教育機関、企業の皆様と連携しながら、防災教育の新しいスタンダードを築いていきます。
ご興味をお持ちの方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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